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蒸着装置の膜厚計算

目次【内容】
  1. 蒸着膜厚について
  2. 膜厚の分布について
  3. 中心点の膜厚計算例
  4. 膜厚計算機
  5. まとめ

蒸着膜厚について

高真空蒸着装置では、タングステンバスケットを使用して金属を蒸発させる方法がよく用いられます。しかし、蒸着量を正確に測ることは困難です。
膜厚の測定には膜厚計がよく利用されますが、それでも正確な膜厚が測定できるわけではありません。
そこで真空デバイスでは下記計算式を用いて膜厚の予測値を計算し、同じ条件で蒸着を行うことで、簡易的に膜厚を導き出しております。

膜厚の目安は次の式で表されます。
試料ー蒸着源の距離をL(m)、金属の体積をv(m³)とした場合、蒸着膜の厚さt(m)は

で求められます。
※他にも不確定要素が複数存在しますが、厳密に算出することは困難なため、簡易的な計算式で予測値を求めます。

膜厚の分布について

膜厚特性
※蒸発源から100mm離れた試料台表面の膜厚特性グラフです。横軸は試料台中心からの距離です。
高真空領域においては蒸気化した金属は直線的に飛ぶので、蒸発源からの距離が離れれば膜厚もその分薄くなります。

中心点の膜厚計算例

t=1x10⁻⁹(m³)÷4π x 0.1(m)x 0.1(m)
t=1x10⁻⁹ ÷(4x3.14x0.1x0.1)(m)
t=1x10⁻⁹ ÷ 12.56x10⁻²(m)
t=7.9x10⁻⁹(m)
t=7.9(nm)

上記は、体積1mm³の金属を、蒸着距離100mm離して成膜した際の膜厚が、およそ7.9nmという計算結果が得られます。

ポイント
※計算結果はあくまで参考値です。真空度や基材の状態により膜厚は変動いたします。
※成形されていない金属は重さを比重で割って体積を求めます。

膜厚計算機

数字を入れて簡単に計算できるフォームを作りました。


それぞれ計算のしやすい単位にしています。
公式に当てはめると膜厚(nm)を計算出来ます。
※あくまで凡その計算値です。

体積を求める際は以下のフォームを利用していただくと便利です。


v(mm³)=線の断面積(mm)x長さ(mm)

v(mm³)=(重量(g)÷ 比重(g/cm³))x 10³
※主な金属の比重(g/cm³)
金  :19.32
アルミ:2.7
銅  :8.94
クロム:7.19
※室温付近での比重です

まとめ

蒸着装置での膜厚は計算である程度求めることは出来ますが、金属の蒸着特性や基材の条件、真空度によっても変わってきます。
膜厚を求めるためには通常、膜厚計を付属して、レートの実測値から膜厚の目安を求めます。
実際の膜厚測定には分光法を用いた解析装置がよく利用されます。

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